【唐】後宮に入る女性の条件と皇后の決め方

中国歴史ドラマに欠かせない後宮。
昼ドラのようなドロドロとした愛憎劇を期待して、中国歴史ドラマを楽しんでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

中国歴史ドラマに登場する女性は皆美人ですが、女性が後宮に入る、また、皇后に冊立されるためには条件を満たさなければいけませんでした。

唐の時代を例に、後宮に入る女性の条件と皇后の決め方を紹介します。

スポンサーリンク

後宮に入る女性の条件

後宮に入る女性の条件は5つあり、どれか1つでも満たせば良いとされました。

家柄が良い

後宮に入る女性に最も求められた条件は家柄の良さです。
一流とされる名家出身の娘、豪族などの権力者の娘などが挙げられます。

家柄の良さが最も求められた理由は、身分の高い女性が皇子や皇女を産むことを理想としたためです。

皇帝が身分の低い女性をどんなに寵愛しても、「身分の卑しい女性から生まれた皇子、皇女が可哀想だ」として臣下に反対されるのが落ちでした。

才能、教養、美貌がある

家柄が良くなくても、皇帝はもちろん、大臣や后妃をあっと驚かせるような才能、教養、美貌があれば、後宮に入ることができました。

踊りや琵琶といった芸術の才能がずば抜けていた楊貴妃は、唐の第9代皇帝・玄宗(李隆基)の后妃でした。
また、美貌がずば抜けていた則天武后は、唐の第2代皇帝・太宗(李世民)と第3代皇帝・高宗(李治)の后妃でした。

家柄が良い女性は、後宮に入ってすぐに后妃となることができましたが、才能、教養、美貌がある女性は大臣や后妃を実力で魅了しなければいけません。
後宮に入ってすぐに后妃となることはなく、数年経ってやっと后妃となることができました。

気立てが良い

後宮で暮らす女性は后妃だけではありません。
后妃に仕える宮女も後宮で暮らします。

宮女は家柄を問われず、気立てが良いか、真面目に働けるか、忠誠心をもって仕えられるかなどが重視されたため、身分の低い女性が後宮に入るケースもありました。

おゆう
おゆう

宮女が皇帝の目に留まるチャンスは、主人である后妃と一緒に皇帝と顔を合わせた時。

后妃に仕えているうちに皇帝の目に留まり、寵愛を受け、皇子を授かり、結果、仕えていた后妃より高い階級に封じられることが稀にありました。

政略結婚

こちらは後宮に入る女性の条件ではありませんが、異民族や他国と和平を保つために、娘を皇帝や皇子に嫁がせて、姻戚関係を結びました。

罪人の娘

こちらも後宮に入る女性の条件ではありませんが、身分の高い者が罪を犯した場合、妻や姉妹、娘などの女性は連坐して奴婢として後宮に入りました。

罪人とはいえ、身分の高い者は家柄の良い者が多く、奴婢として後宮に入った女性の一部は宮女に格上げされ、皇帝の目に留まるチャンスを得ました。

則天武后の従姪・武氏は玄宗から寵愛され、恵妃に冊立されると、皇后と同じ待遇を受けました。

皇后の決め方

女性が後宮に入る条件を5つ紹介しましたが、後宮に入る女性に最も求められた条件は家柄の良さ。
つまり、家柄の良い女性が后妃に、そして、皇后に冊立されやすかったんです。

后妃が複数いて、皇后が冊立されていない場合、皇子を一番早く産んだ女性を皇后に冊立するケースが一般的でした。

おゆう
おゆう

といっても、医療技術の進歩した現代とは異なり、当時はお腹の中に宿った命が男の子か、女の子かなんて判りません。

皇子を産んだ女性が皇后に冊立されると知っていた后妃は、皇帝の寵愛を受けて妊娠した后妃、宮女が現れたら、食事に毒を盛ったり、刺客を送ったりして、お腹の中に宿った命を狙いました。
中には、嘘や悪口を吹き込んで、処刑に追い込む后妃もいました。

お嬢ちゃん
お嬢ちゃん

家柄が良いことは最低条件として求められ、後宮内で繰り広げられる争いに勝ち、且つ、皇子を産むという強い女性が皇后に冊立されたんですね。

ただし、北魏では皇子を産まない后妃が皇后に冊立されました。
正確にいうと、皇后に冊立されると、皇子を産む必要がない、いや、皇子を産んではいけなかったんです。

北魏では、金を用いて、直立する自分の像を造ることのできた女性が皇后に冊立されました。

後継ぎとなる皇子を産んだ女性は殺されるという子貴母死制を採用していた北魏では、皇后は皇子を産みませんでした。

おゆう
おゆう

皇后が後継ぎとなる皇子を産んで殺されるという事態を避けるためです。

当然、后妃には後継ぎとなる皇子を産むことが求められました。
言い換えれば、後継ぎとなる皇子を産まなければ、后妃は殺されずに済みますが、皇子を産まない后妃は、日の目をみないままに生涯を終えます。

后妃が後宮でのびのびと暮らすためには、皇后に冊立されるしかなかったんですね。

まとめ

唐の時代を例に、後宮に入る女性の条件と皇后の決め方を紹介しました。

後宮に入る女性の条件は、
・家柄が良い
・才能、教養、美貌がある
・気立てが良い
の3つの他、
・政略結婚
・罪人の娘
といった2つのケースがあり、どれか1つでも満たせば良いとされました。

また、後宮の女性の中から皇后を決める際には、家柄、皇子を産んだ順番が重視されました。

家柄は本人の力ではどうにもなりませんが、その他の条件を満たせるかどうかは、本人の努力と運次第だったのかもしれませんね。

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ブログランキングに参加しているので、もし良ければクリックで応援をお願いします!
にほんブログ村 歴史ブログ 世界史へ

タイトルとURLをコピーしました