現在では男女平等がうたわれていますが、唐は男尊女卑の時代。
女性は虐げられることが多く、離婚が認められた条件や夫婦間でのトラブルにおける制裁に、男女の差別が見られました。
離婚が認められた7つの事由、夫婦間での男女差別を紹介します。
離婚が認められた7つの条件とは?
日本では、夫婦が離婚を望んだ場合、調停や裁判を行わなくても離婚することができます。
① 不倫
② 夫婦間の義務(同居、協力や扶助)の放棄
③ 配偶者の生死不明(3年以上)
④ 配偶者の重い精神病
⑤ DVや浪費癖、犯罪
では、唐では、どのような事由に該当すれば、離婚が認められたのでしょうか。
唐で離婚が認められた7つの事由をみていきましょう。
男の子を産まない
性別に関係なく、お腹に宿った命は大事なもの。
男の子を授かろうが、女の子を授かろうが、両親は大事に育てると思いますが、男の子を産まないというだけで、離婚が認められました。
色欲が強い
表現の仕方に悩みましたが、女性は物静かで上品なほうがいいということですね。
夫の父(舅)、夫の母(姑)に従わない
掃除、洗濯、料理などの家事はもちろん、夫の両親によく仕えなければいけませんでした。
他人の悪口を言い、悪い噂を広める
古代でも、中世でも、近世でも、現代でも、これはいけませんよね。
でも、他人の悪口を言ったことがない人なんているのでしょうか。
何故、悪口や悪い噂の対象が家族ではなく、他人であっても離婚が認められるのかは理解できませんが、人間の鑑のような妻を求めていたのかもしれませんね。
物を盗む
古代でも、中世でも、近世でも、現代でも、これもいけませんよね。
妻が窃盗罪で捕まったら、離婚したくなる夫の気持ち、離婚させたくなる夫の両親の気持ちは理解できます。
嫉妬深い
嫉妬深い女性と聞くと、束縛が激しい、面倒くさい女性を思い浮かべるかもしれません。
私は「妻を嫉妬させたのは誰だ!?」ってツッコミたくなります。
嫉妬深いという言葉には、負けず嫌い、見栄っ張りという意味もあります。
現在では、負けず嫌いは成長意欲が高いとして好印象を与えることもありますが、当時の女性には、物静かで、夫の両親に従うことが求められたと考えると、悪印象でしかなかったのかもしれません。
大きな病気にかかる
妻が大きな病気にかかったら、まず、心配したり、回復を祈ったりするものだと思いますが、離婚が認められる条件として挙げられるなんて、なんと冷たい世の中。
本人だって、大きな病気にかかりたくてかかったわけではないのに。
そんな冷たい夫なんて、こっちから願い下げです!
① 夫の父(舅)、夫の母(姑)の葬式を執り行った
② 上記の7つの事由に当てはまっていたが、後に男の子を産んだり、改心したり、回復したりした
③ 家から追い出されたら、頼る人がいない
夫の両親が亡くならなければ、①の事由には該当しません。
家から妻を追い出すことができない事由に該当するのは難しいので、離婚することは比較的簡単でした。
夫婦間での男女差別
離婚が認められた7つの事由を紹介しましたが、男の子を産まない、夫の両親に従わない、嫉妬深いなど、多くの事由が妻(女性)を対象にしたもの。
定められていた法律は、妻が夫に離婚を突き付けることを想定していませんでした。
夫が離婚を申し出、妻を捨てても、罰則はありませんでしたが、妻が離婚を申し出、夫を捨てると罰せられました。
「妻」と言っていますが、愛人にも罰則が科されます。
例えば、夫の承諾を得ずに、妻や愛人が去った場合、2年間強制労働しなければいけませんでした。
また、夫以外の男性と結婚した場合、3年間強制労働しなければいけませんでした。
愛人が夫を殴った場合、妻より長く、強制労働しなければいけませんでした。
つまり、男女といった性別だけでなく、身分の差別も行われていました。
その他、夫が罪を犯した場合、妻と子どもは連座して刑罰が科され、奴婢に落とされました。
恋愛結婚であれば、夫が罪を犯して、連座して刑罰が科されても耐えられたかもしれません、
でも、政略結婚など、好きでもない夫と結婚した場合、夫のために刑罰が科されるなんて耐えられなかったのではないでしょうか。
まとめ
離婚が認められた7つの事由、夫婦間での男女差別を紹介しました。
離婚が認められた7つの事由の多くは妻(女性)を対象にしたもので、妻が夫に離婚を突き付けることを想定していませんでした。
夫婦間では、強制労働が科される期間が夫婦や身分で異なり、男女の差別、身分の差別が行われていました。
離婚が認められた事由や科された罰則から、唐はまさに男尊女卑の時代といえますが、唐の女性は比較的自由だったとされています。
唐以外の時代を生きた女性は、肩身がより狭かったのかもしれませんね。
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