① 第8代将軍・徳川吉宗
② 第9代将軍・徳川家重
③ 第10代将軍・徳川家治
の将軍3代にわたって仕えた松平武元。
老中首座だった松平武元は田沼意次と共に幕政の改革に努めました。
松平武元の生涯、田沼意次と共に残した功績を紹介します。
徳川家治に仕えた松平武元ってどんな人?
松平武元は享保4年(1719年)生まれ。
常陸国府中藩第3代藩主・松平頼明の四男として誕生しました。
享保13年(1728年)、上野国館林藩第2代藩主・松平武雅の養嗣子(家督相続人となる養子)となります。
その後、陸奥棚倉(現在の福島県東白川郡)に移封されました。
(旧江戸城西の丸大手門。現在の皇居正門です)
延享3年(1746年)には、江戸城の西の丸を取り仕切る西丸老中に就任します。
その後、再び上野国館林に移封されました。
翌年の延享4年(1747年)には老中、明和元年(1764年)には老中首座に就任します。
① 第8代将軍・徳川吉宗
② 第9代将軍・徳川家重
③ 第10代将軍・徳川家治
の将軍3代にわたって仕えた松平武元。
中でも、第10代将軍・徳川家治からの信頼は厚く、「西丸下の爺」と呼ばれ親しまれました。
晩年病を患った松平武元は老中の辞職を申し出ます。
でも、徳川家治はその申し出を受け入れませんでした。
安永8年(1779年)、老中在任のまま60歳で亡くなりました。
松平武元が田沼意次と共に残した功績
紹介したように、松平武元は徳川吉宗・家重・家治の将軍3代にわたって仕えました。
中でも、松平武元が最も大きな功績を挙げたのが、徳川家治の治世です。
老中首座だった松平武元は田沼意次と協力して、次のような改革を行いました。
株仲間
株仲間とは、同じ商品を扱う商工業者で結成した組合を指します。
株仲間に所属する商工業者は、
① 運上:商業を行う者に対して課せられる税
② 冥加:商売の権利(株)に対して課せられる税
を、幕府に払います。
幕府は税を納めた商工業者に対して独占仕入・販売を認めました。
実は、株仲間が誕生したのは第8代将軍・徳川吉宗の治世。
享保の改革で生まれた株仲間を、松平武元は徳川家治の治世でも採用したんです。
株仲間を採用することによって、同業者が自主的に規制を行い、
☑ 盗品の販売や叩き売りなどの不正を防ぐ
☑ 商品の価格・供給を安定させる
ことができました。
☑ 徴収した税が幕府財政の足しになる
ことから、双方にとってメリットのあるシステムでした。
南鐐二朱銀
江戸時代の貨幣制度は「三貨制度」といって、金貨、銀貨、銭貨の3種類がありました。
そこで、貨幣の価値を安定させるべく、「南鐐二朱銀」という新たな貨幣を作ります。
表面には「以南鐐八片換小判一両」(南鐐二朱銀8枚をもって、小判(金)1両に交換すること)という刻印が。
つまり、金貨と銀貨の単位を一本化し、相場を変動させない仕組みを作ったんです。
これにより、江戸の経済が活性化し、町人による文化も発展しました。
中山道伝馬騒動の解決
天正18年(1590年)の小田原征伐の論功行賞として、江戸に移封された徳川家康。
江戸時代に入ると、中山道、東海道、日光街道、奥州街道、甲州街道の五街道の整備が進みます。
街道添いには宿場町が設置されました。
幕府直轄領の多い中山道沿いでは、百姓の年貢以外に水利普請や鷹場管理などの負担がありました。
明和元年(1764年)、不満を抱いていた百姓が組織化し蜂起。
松平武元は「負担を取り下げてほしい」という一揆勢の要求を受け入れ、解決に努めました。
将軍3代にわたって仕え、厚い信頼を寄せられた松平武元。
23歳で将軍に就任した徳川家治は不安を漏らしました。
徳川家治の気持ちを知った松平武元は、徳川家治の間違いを恐れずに指摘します。
また、徳川家治も松平武元のアドバイスを素直に聞いたといわれています。
まとめ:松平武元は徳川家治、田沼意次から信頼されていた!
松平武元の生涯、田沼意次と共に残した功績を紹介しました。
主君を恐れることなく指摘し、徳川家治から「西丸下の爺」と呼ばれ親しまれた松平武元。
松平武元が晩年に老中の辞職を申し出ても、徳川家治は受け入れませんでした。
徳川家治にとって、松平武元がいかに欠かせない存在だったか、よく分かりますね。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」を楽しむなら、こちらのガイドブックがオススメです。
キャスト紹介と役にかける想い、登場人物の簡単な説明が載っています。
ガイドブックを読めば、ドラマに集中できること間違いなし!
手に取っていただきたい一冊です。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ブログランキングに参加しているので、もし良ければクリックで応援をお願いします!