年賀状を準備する時に調べる干支。
年男・年女を迎える年が近付くと、自分の干支を意識しますよね。
約260年間も続く江戸幕府を開いた徳川家康の干支は何か、ご存知でしょうか。
徳川家康の干支を、鳳来寺に伝わるエピソードと共に紹介します。
徳川家康の干支は寅年?うさぎ年?
十二支は中国の最古の王朝といわれている殷(紀元前17世紀頃から紀元前1046年まで)で誕生しました。
今では、私達の生活にすっかり定着していますが、徳川家康の生きた時代に、十二支は日本に伝わっていたのでしょうか。
十二支が日本に伝わったのは、6世紀半ば。
さて、冒頭にお話ししましたが、徳川家康の干支は何でしょうか。
→ 徳川家康は天文11年(1542年)生まれで、干支は寅年です。
ただ、徳川家康本人が「卯年(うさぎ年)生まれ」と書いた記録が残っているのだとか。
そのため、「徳川家康の干支は何?」、「何どし生まれなの?」という議論が巻き起こっているようです。
寅年はもちろん、十二支は12年に一度訪れるので、寅年自体が珍しいわけではありません。
実は、徳川家康の生まれた1542年は、寅年の中でも、60年に一度しか訪れない壬寅(みずのえとら)にあたります。
もし、徳川家康が生きていれば、8回目の還暦を迎えたことになりますね。
壬とは、緩やかなカーブを描くように流れる大河を表しています。
また、寅は決断力、才能と知恵、親子の絆の象徴とされています。
寅が親子の絆の象徴とされるのは、他の動物に比べて、熱心に子育てをするからです。
壬と寅、それぞれの漢字が表す意味から、
壬寅に生まれた人には、落ち着いて、決断する性格の持ち主が多いといわれています。
鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギスという句のとおり、徳川家康はチャンスが巡って来るまで辛抱強く待ち続けました。
まさに、徳川家康にピッタリの十二支ですね。
縁起のいい壬寅が描かれたお猪口でグイっと一杯、いかがでしょうか。
鳳来寺に伝わるエピソードとは?
紹介したように、徳川家康の干支は寅年ですが、徳川家康と寅(虎)の繋がりは干支だけではありません。
天文10年(1542年)、徳川家康の父・松平広忠と母・於大の方(伝通院)が結婚。
乱世を生き抜かなければならない戦国時代では、世継ぎとなる男の子を産むことが求められましたが、松平広忠と於大の方は子どもをなかなか授かりませんでした。
そこで、松平広忠は於大の方を誘って、鳳来寺(愛知県新城市)に参拝しました。
鳳来寺は標高695メートルの鳳来山にあります。
すると、参拝したその日の夜に、於大の方は不思議な夢を見ました。
東から老翁がやって来て、金珠を於大の方にプレゼントしたんです。
その後、於大の方はすぐに懐妊し、12ヶ月後の天文11年(1542年)12月26日午前4時頃に、徳川家康を出産しました。
老翁が於大の方にプレゼントした金珠こそ、徳川家康だったということですね。
徳川家康が誕生し、松平広忠と於大の方が喜んでいるまさにその時、鳳来寺では不思議な出来事が起きます。
鳳来寺の薬師堂にあった十二神将像のうちの真達羅大将の像が消えたんです。
十二神将像は12の方角、刻から薬師如来を守る神で、真達羅大将は寅の方角、寅の刻から守る役目を担っていました。
寅の刻とは、午前4時の前後2時間を指します。
徳川家康が誕生したのは、まさに、寅年の寅の刻です。
不思議な出来事が起きたのは、徳川家康が誕生した時だけではありません。
なんと、元和2年(1616年)に徳川家康が亡くなると、真達羅大将の像が元の場所に戻っていたんです。
このエピソードと徳川家康の辛抱強い性格をもとに、寅童子という起き上がりこぼしが誕生しました。
今では、愛知県新城市の特産品として親しまれています。
この立て続けに起きた不思議な出来事を知った江戸幕府の第3代将軍・徳川家光は、鳳来寺の本堂を修復したり、薬師堂を再建したりすると決め、第4代将軍・徳川家綱のもとで、修復、再建が完了しました。
ところが、鳳来寺内で火災が度々起こり、寺内の施設や資料は焼失していました。
また、慶安元年(1648年)には、鳳来寺の上に、鳳来山東照宮を建立しました。
鳳来山東照宮は子宝のパワースポットとして、また、日光、久能山に並ぶ三大東照宮として人気の観光地となっています。
まとめ
徳川家康の干支を、鳳来寺に伝わるエピソードと共に紹介しました。
60年に一度しか訪れない壬寅に生まれた徳川家康は、壬寅という漢字が表すとおり、ゆったり、どっしりと構えて、チャンスが自分に巡って来るのを待ちました。
徳川家康には、寅(虎)と深い繋がりがありました。
皆様も、自分の干支と人生を照らし合わせて、繋がりを探ってみてはいかがでしょうか。
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