足利尊氏は妻・赤橋登子、子供・竹若丸、直冬を裏切っていた!

鎌倉幕府、後醍醐天皇を裏切った足利尊氏。
実は、身内である妻子をも裏切っていました。

足利尊氏
赤橋登子に対する裏切り
子供竹若丸直冬に対する裏切り
を紹介します。

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足利尊氏は妻を裏切っていた!

元弘3年(1333年)4月、鎌倉幕府から後醍醐天皇の追討を命じられ、名越高家と共に鎌倉を出た足利尊氏。
この時、足利尊氏は正室・赤橋登子と三男・足利義詮を鎌倉に置いて行きました。

おゆう
おゆう

というのも、足利尊氏が二人を連れて行こうとしたところ、幕府に反対されたんです。

足利尊氏が後醍醐天皇の追討に失敗したら、妻子と共に処刑される可能性がありました。

また、赤橋登子の父・赤橋守時は名ばかりの執権。
権力を握っていた北条高時、長崎円喜によって処されるかもしれません。

にも関わらず、足利尊氏は丹波国篠山で決起し、六波羅探題を攻撃して幕府を裏切ります。

赤橋守時の協力を得て、赤橋登子と足利義詮は鎌倉を無事脱出しました。

幕府内における赤橋守時の立場は悪くなり、北条高時から謹慎処分を命じられます。
裏切り者の汚名を返上するべく、赤橋守時は自ら倒幕軍を迎え撃ちましたが、敗れて自害しました。

子供を連れて京に向かいながら、赤橋登子は「実家はどうなるんだろう…」と心配したと思います。
実家を失った赤橋登子は足利尊氏を恨んだのではないでしょうか。

足利尊氏は子供・竹若丸、直冬を裏切っていた!

足利尊氏には、
① 正室・赤橋登子との間に誕生した
男子:足利義詮(室町幕府第2代征夷大将軍)
男子:足利基氏
女子:鶴王
② 側室・加古基氏の娘との間に誕生した足利竹若丸
③ 側室・越前局との間に誕生した足利直冬
と他5人の合計10人の子供がいました。

この中で、足利竹若丸と足利直冬の二人は足利尊氏から冷たく扱われました。

足利竹若丸を裏切っていた!

正中元年(1324年)生まれで、加古基氏の娘のもとに長男として誕生しました。

加古基氏は足利氏第4代目当主・足利泰氏の子で、足利氏一族にあたります。

足利尊氏が後醍醐天皇の追討に向かうと、赤橋登子、義詮同様、足利竹若丸も鎌倉に置いて行かれました。

足利尊氏が幕府を裏切ると、走湯山密巌院別当の伯父・覚遍に連れられて、京都に逃げます。
足利尊氏と合流しようとしたのかもしれません。

ところが、京都にたどり着く前に、駿河国浮嶋が原(静岡県沼津市)で幕府の刺客に殺されてしまいました。

足利直冬を裏切っていた!

嘉暦2年(1327年)生まれで、側室・越前局のもとに次男として誕生しました。

越前局は足利尊氏が一夜だけ関係をもった女性。

① 同じ庶子である竹若丸よりも冷遇されたこと
② 出自が判っていないこと
から、身分の低い女性だったのではないかといわれています。

越前局の身分の低さを気にしたのか、正室が怖かったのか。
足利尊氏は足利直冬を認知せず、会おうともしませんでした。

足利尊氏の仕打ちに、足利直冬と越前局が悲しんだと思います。
ただ、そのおかげで、足利竹若丸とは異なって、北条氏から命を狙われずに済みました。

おゆう
おゆう

足利尊氏の弟・足利直義は子供がいなかったため、足利直冬を養子にして引き取ります。
それでも、足利尊氏との対面は許されませんでした。

実は、足利尊氏の正室・赤橋登子が庶子の悪口を吹き込み、庶子を排除していたんです。

正平3年/貞和4年(1348年)、楠木正成の長男・楠木正行が北朝勢・室町幕府軍を次々と破ります。
足利尊氏は南朝勢に対抗するべく、軍を拡大しようとしますが、人手が足りません。

そこで、足利直義が「足利直冬に討伐を任せてみてはどうか」と提案。

足利尊氏は嫌がりましたが、だからといって、南朝勢を放っておくわけにもいきません。
足利尊氏は足利直冬を討伐軍の大将に渋々任命しました。

この時、足利尊氏・直冬親子は初めて顔を会わせました。
つまり、足利直冬はやっと認知されたんです。

足利直冬は南朝勢を破り、大手柄をたてます。
足利直冬は実の父から褒められるのではないかと期待したに違いありません。

ところが、足利尊氏をはじめ、異母弟・足利義詮、側近・高師直は足利直冬の活躍を喜びませんでした。

一方、養父である足利直義からは褒め称えられます。
足利直冬は足利尊氏や足利義詮を憎むようになり、この憎しみは観応の擾乱に発展していきます。

まとめ:父に裏切られるも、二人の子は伯父に愛された!

足利尊氏
赤橋登子に対する裏切り
② 子供・竹若丸直冬に対する裏切り
を紹介しました。

妻子を裏切り、鎌倉幕府を弱体化させた足利尊氏。

① 足利竹若丸は伯父・覚遍
② 足利直冬は伯父(養父)・足利直義
に愛されたのが、せめてもの救いだったのではないでしょうか。

足利尊氏は大河ドラマ「太平記」に登場しています。

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