仁徳天皇の治世には、既に行われていたという鷹狩り。
多くの戦国武将が鷹狩りを楽しみましたが、中でも、徳川家康の鷹狩り好きは度を超えていました。
徳川家康が鷹狩りをした目的、隣に場所を与えられた伊達政宗と一触即発な状態になった逸話を紹介します。
徳川家康が鷹狩りをした目的は?
徳川家康は織田家、今川家で幼少期を送りました。
徳川家康の立場は人質。
行動がある程度制限される中で、徳川家康は鷹狩りを楽しんでいました。
今川家の家臣・孕石元泰から、
人質なのに、鷹狩りをするなんて生意気な少年だ!
と嫌味を言われても、徳川家康は鷹狩りをやめることはありませんでした。
やがて、徳川家康は今川家から独立しますが、亡くなるまで鷹狩りを続けました。
後に、孕石元泰は今川家を離れ、武田勝頼に仕えました。
天正9年(1581年)、徳川家康は高天神城で武田軍に勝利すると、孕石元泰を捕らえて切腹させました。
幼少期に嫌味を言われたことを根に持っていたのかもしれません。
徳川家康が一生涯で鷹狩りを行った回数は、なんと1000回以上。
戦いの絶えない戦国時代において、鷹狩りを1000回以上も楽しむなんて。
徳川家康は鷹狩りが本当に好きだったんですね。
徳川家康には、鷹狩りをする目的があったんです。
身体づくりをするため
森や林に潜む獲物を犬に追いかけさせて、上空に飛んだ獲物を鷹に捕まえさせる鷹狩り。
鷹が鷹匠のところまで飛んで獲物を運ぶ光景を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実際には、鷹匠が鷹のところまで行って、獲物を引き離します。
・自然と脚力を鍛える
・持久力を高める
ことができました。
睡眠の質を上げるため
戦いがいつ始まってもおかしくない戦国時代。
時には、家族、親戚、家臣から命を狙われるケースもあり、武将の眠りは短くて浅いものでした。
睡眠時間が短かったとしても、眠りが深ければ、身体や脳の疲れが取れると聞いたことはありませんか。
・寝つきが良くなる
・眠りが深くなる
ため、睡眠の質を上げることができました。
食欲を湧かせるため
腹が減っては戦はできぬという言葉があるように、食事は戦国武将が生き残るために必要なものでした。
でも、私達に食欲のない日があるように、戦国武将にも食欲のない日がありました。
・家族や親しくしていた友人が亡くなった
・主君に命じられて斬りたくないのに斬らざるを得なかった
など、気分の落ち込み場面は私達の想像以上に多かったことでしょう。
それでも、生き残るためには食べなければいけません。
情報を収集するため
勢力を拡大するにつれて、領地も広がります。
領地が広がれば広がるほど、実態を正しく、細かく把握するのは困難ですよね。
また、鷹場に放つ鷹を買い付ける時には、ついでに街を巡って、情報を収集しました。
隣に場所を与えられた伊達政宗との逸話
慶長6年(1601年)、仙台藩初代藩主・伊達政宗は、徳川家康から隣に鷹場を与えられました。
伊達政宗の鷹場の場所は埼玉郡。
現在の埼玉県久喜市を中心に、東は幸手市、南は春日部市、西は加須市、北は羽生市に及びました。
徳川家康が広大な鷹場を伊達政宗に与えたのは、
・伊達政宗との関係を強化するため
・東北の安泰を保つため
だといわれています。
ところが、ある日、鷹狩りに熱中していた伊達政宗は自分の鷹場を越えてしまいました。
紹介したように、鷹場は鷹狩りが許可された土地。
伊達政宗が自分の鷹場を越えたことに気付いたのは、徳川家康の姿が視界に飛び込んできたから。
伊達政宗は慌てて身を隠し、徳川家康が走り去ったのを確認して、急いで自分の鷹場に戻りました。
後日、徳川家康と伊達政宗が面会。
鷹狩りの話題になると、伊達政宗は、
・自分の鷹場の外で鷹狩りをしてしまったこと
・徳川家康の姿が見えて急いで戻ったこと
を正直に話しました。
すると、徳川家康は、
自分も伊達政宗の姿が見えたから急いで戻った
と告白しました。
二人の鷹場は隣で、二人がお互いの姿を見たのはまさに境界だったんですね。
告白した徳川家康はこう付け加えました。
お互いがお互いの鷹場に入っていると知っていたのか。
それなら、気にせず鷹狩りを続ければ良かったなぁ…
徳川家康が伊達政宗をいかに信頼していたか、味方につけておきたかったかが分かるエピソードですね。
まとめ:鷹狩りは徳川家康と伊達政宗の関係をより良好にした!
徳川家康が鷹狩りをした目的、隣に場所を与えられた伊達政宗と一触即発な状態になった逸話を紹介しました。
① 身体づくりをするため
② 睡眠の質を上げるため
③ 食欲を湧かせるため
④ 情報を収集するため
です。
鷹狩りは徳川家康を75歳まで長生きさせ、江戸幕府を265年も続く長期政権に育てたんですね。
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