
歴史小説や大河ドラマ、時代劇に登場する小姓と近習。
この2つの言葉の違いを説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。
織田信長政権下の例を含めて、小姓と近習の身分や仕事内容の違いをわかりやすく解説します。
小姓とは?
小姓は主君のそばで仕える少年期から青年初期の武士を指します。
小姓の身分
小姓は基本的に武家の出身ですが、10代から20代半ばまでの元服前後の若者がほとんど。
主君の好みで採用された、いわゆる顔採用です。

美男子であればそれで良し!
格の低い武士はもちろん、名門の子弟が小姓として仕えることも珍しくありませんでした。
小姓の仕事内容
小姓の主な仕事内容は主君の身の回りの世話。
その他、衣服や道具を管理したり、儀式や外出時にお供したりしました。
一方、小姓にとって、礼儀作法や武士としての立ち振る舞いを学ぶ修行の場でもありました。
織田信長政権下の小姓とは?
主君の身の回りの世話を主な仕事内容とした小姓。
ただ、織田信長に仕えた小姓は仕事内容も待遇も特別でした。
常に30人程度の小姓が織田信長に仕えていたといわれていますが、有名な小姓は森蘭丸(森成利)。
森蘭丸は12歳で織田信長の小姓になりました。
「信長公記」で記されている、森蘭丸の逸話を2つ紹介します。
森蘭丸の逸話①:爪拾い
ある日、織田信長が森蘭丸に「切った爪を捨てるように」と命じました。
森蘭丸は命令に従い、爪の乗った扇子を持ち上げて部屋を出ました。
すると、森蘭丸は爪が9つしかないことに気付きます。
10本の指の爪を切ったのであれば、爪は10個あるはず。
森蘭丸は織田信長の部屋に戻り、残りの1つの爪を探したといわれています。
森蘭丸の逸話②:ふすま閉め
ある日、織田信長が森蘭丸に「隣の部屋の障子を閉めるように」と命じました。
森蘭丸が隣の部屋に入ると、障子は閉まっていました。

信長様が「障子が開いている」と言ったのに、実際には閉まっていたと家臣が知れば…
信長が恥ずかしい思いをするかもしれない!
森蘭丸は障子を開け、周囲に聞こえるようにわざと音を立てて閉めました。
どちらも森蘭丸の主君の意図を汲み取る機転の良さがうかがえるエピソードです。
身の回りの世話はもちろん、使者、取次、秘書的業務までこなした森蘭丸。
織田信長のお気に入りになった森蘭丸は小姓でありながら、五万石を与えられる異例の待遇を受けました。

織田政権下において地位の高かった小姓。
戦陣では護衛や切込み隊長を務め、平時には内政を行いました。
武芸と教養に優れた容姿端麗の若者が織田信長のもとで活躍したんですね。
近習とは?
近習とは中世から近代にかけて、主君のそばで仕える若い武士を指します。
いつも主君の近くにいて、身辺警護をしました。
近習の身分
主君の身辺警護を任されていた近習。
剣や槍を使った武芸に秀でていなければいけません。
そのため、近習は基本的に武家の出身でした。
近習は「将来活躍するに違いない」というポテンシャル採用。
20歳から30代までの将来を期待された低級・中級武士が選ばれました。
近習の仕事内容
近習の主な仕事内容は主君の身辺警護の他、
☑ 命令や書状の伝達
☑ 政務・軍事の補佐
☑ 主君の日常生活の世話
など多岐にわたります。
そのため、武芸だけではなく、教養も求められました。
将来を期待された近習はただの雑用係ではありません。
主君から能力を認められれば、側近や重臣になれるチャンスがありました。
小姓と近習の違いとは?
小姓と近習の身分、仕事内容を紹介しましたが、違いをまとめると、
年齢
☑ 小姓:10代から20代半ばまでの少年、青年
☑ 近習:20歳から30代までの青年
身分
☑ 小姓は容姿端麗であれば身分を問われない
☑ 近習は将来を期待された低級・中級武士
仕事内容
☑ 小姓は主君の身の回りの世話
☑ 近習は主君の警護・補佐・実務
となります。
小姓は近習に、近習は側近や重臣に出世するチャンスがありました。
まとめ:違いを理解すると歴史がもっと面白くなる
織田信長政権下の例を含めて、小姓と近習の身分や仕事内容の違いをわかりやすく解説しました。
☑ 小姓は10代から20代半ばまでの容姿端麗の若者
☑ 近習は20歳から30代までの将来有望な武士
が選ばれました。
小姓と近習の身分や仕事内容に違いはあっても、いざという時に主君の盾になるところは同じ。
違いや共通点を理解することで、歴史作品や史料の理解がより深まりますね。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ブログランキングに参加しているので、もし良ければクリックで応援をお願いします!
![]()
