【唐】135年ぶりに誕生した何皇后ってどんな人?

618年に建国され、907年に滅亡した唐。

おゆう
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300年近く続いた唐には、23人の皇帝が存在しましたが、存在した皇后はたったの8人でした。

7人目の皇后・張皇后(第10代皇帝・粛宗の正妻)が亡くなった762年から、135年ぶりに皇后に冊立されたのが、第22代皇帝・昭宗の正妻・何皇后です。

何皇后とは、どのような人物なのでしょうか。

何皇后の生涯を紹介します。

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何皇后ってどんな人?

何皇后は梓州(四川省綿陽市)の出身。

聞き慣れない都市名ですが、綿陽市は四川省で最も大きな成都市に次ぐ都市です。
電子工業が盛んで、それに関係する研究機関が数多く設置されています。

何皇后の生まれ年や家柄、名前は不明ですが、李傑が皇太子になる前に、後宮に入ったことが判っています。
何皇后は美しいうえに、頭が良く、李傑は何皇后を寵愛しました。

淑妃に冊立される

888年、李傑が第22代皇帝・昭宗として即位すると、何皇后は淑妃に冊立されました。

何皇后は第1皇子・李裕、第9皇子・李祚を出産しました。

皇后に冊立される

896年、鳳翔節度使・李茂貞が反乱を起こし、何皇后と昭宗は長安から華州(陝西省渭南市)に逃げました。

逃亡先の華州では、何皇后と昭宗は民の暮らしを視察。
昭宗は何皇后を皇后に、また、第1皇子・李裕を皇太子に冊立しました。

898年、反乱が収まり、何皇后と昭宗は長安に戻りました。

おゆう
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ところが、昭宗が事件を起こしてしまいます。

900年11月、昭宗は酒に酔い、近くにいた宦官や侍女を殺してしまいました。

神策軍の左中尉である宦官・劉季述はクーデターを起こして、昭宗に退位を迫りました。
昭宗が殺されてしまうのではないかと心配した何皇后は、劉季述に玉璽を渡しました。

玉璽とは、中国の皇帝が代々受け継いだ判子です。

その後、昭宗に代わって、皇太子・李裕が即位し、何皇后と昭宗は幽閉されてしまいましたが、唐軍・朱全忠によって反乱が鎮圧され、昭宗が再び即位すると、何皇后は幽閉が解かれました。

皇太后に冊立される

904年、朝廷の実権を握っていた朱全忠が昭宗を殺しました。
この時、朱全忠は何皇后も殺すつもりでしたが、何皇后が朱全忠の側近・蒋玄暉に助けを求めたため、何皇后は生き延びることができました。

朱全忠は自らが即位する準備を整えるための繋ぎとして、第9皇子・李祚を第23代皇帝・哀帝として即位させました。

何皇后は皇太后となりましたが、身の危険を感じた何皇后は、朱全忠の側近・蒋玄暉に身の安全を保障するよう度々お願いしました。

朱全忠は何皇后と蒋玄暉が通じていたとして、二人を殺しました。

何皇后は135年ぶりに誕生した皇后だった!

紹介したように、7人目の皇后・張皇后(第10代皇帝・粛宗の正妻)が亡くなった762年から、135年ぶりに皇后に冊立されたのが何皇后です。

何皇后を除く、唐の7人の皇后をまとめると、次のようになります。

第2代皇帝・太宗の正妻・長孫皇后

在位期間:626年8月から636年6月(9年10ヶ月)
死因:病死

第3代皇帝・高宗の正妻・王皇后

在位期間:650年1月から655年10月(5年9ヶ月)
死因:則天武后に殺される

第3代皇帝・高宗の正妻・則天武后

在位期間:655年10月から683年12月(23年2ヶ月)
死因:病死

第4代・第6代皇帝・中宗の正妻・韋皇后

在位期間:684年1月から684年2月、705年2月から710年6月(5年5ヶ月)
死因:第9代皇帝・玄宗に殺される

第5代・第8代皇帝・睿宗の正妻・劉皇后

在位期間:684年2月から690年9月(6年7ヶ月)
死因:則天武后に殺される

第9代皇帝・玄宗の正妻・王皇后

在位期間:712年8月から724年7月(11年11ヶ月)
死因:側室・武恵妃に殺される

第10代皇帝・粛宗の正妻・張皇后

在位期間:758年4月から762年4月(4年)
死因:粛宗の側近・李輔国に殺される

何故、第11代皇帝・代宗から第21代皇帝・僖宗までの皇帝が、皇后を冊立しなかったのかは分かりません。

宦官に朝廷を牛耳られていたことを考えると、皇后に迷惑をかけると思ったり、あるいは、そのような自由を持ち合わせていなかったりしたのかもしれませんね。

まとめ

何皇后の生涯を紹介しました。

何皇后は135年ぶりに冊立された皇后で、夫・昭宗や子ども・哀帝の身を案じながら生きました。
昭宗の最期を見届け、哀帝を残して、朱全忠に殺されてこの世を去った何皇后。

唐最後の皇后として、研究が進むことを願っています。

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