織田信長が平定した越前一向一揆はいつどこで起きた？経緯と経過

一乗谷の戦いで越前国の朝倉氏を滅ぼした織田信長。
織田信長が越前国を手に入れるには、一揆を平定しなければいけませんでした。

織田信長が平定した越前一向一揆の経緯と経過をわかりやすく紹介します。

織田信長が平定した越前一向一揆はいつどこで起きた？

織田信長が平定した越前一向一揆は、天正2年（1574年）8月15日に起きました。
一揆の名前から分かるように、起きた場所は越前国です。

一揆が平定されたのは18日で、わずか4日間の戦いだったことになります。

越前一向一揆が起きた原因は、（一言でいうと）織田信長の人選ミスです。
経緯と経過をみていきましょう。

第7代目当主・朝倉孝景から第11代目当主・朝倉義景までの5代にわたって、越前国を支配してきました。
ところが、天正元年（1573年）8月に一乗谷城の戦いが勃発。

前哨戦・刀根坂の戦いで、軍が既に壊滅していた朝倉義景の手勢はわずか500人だったといわれています。
織田信長に追い詰められた朝倉義景は従弟・朝倉景鏡に裏切られ自害しました。

朝倉家の旧臣の多くは織田信長に仕えることになります。
織田信長は旧臣の中から桂田長俊を守護代に任命し、越前国の統治を任せました。

何故、織田信長は桂田長俊を守護代に任命したのでしょうか。

実は、桂田長俊は朝倉義景を見捨てて、織田信長に寝返った裏切り者。
織田信長にとって、桂田長俊は信頼できる人物だったのかもしれませんね。

ただ、朝倉家の旧臣にとって、桂田長俊は最も信頼できない人物。

以前から桂田長俊と対立していた富田長繁は仲間（一揆勢）を集め、反乱を起こしました。
富田長繁は3万人の一揆勢を率いて桂田長俊を討ち取ります。

ところが、富田長繁は同時に魚住景固とその一族を殺してしまいました。

魚住景固は朝倉家の旧臣で、桂田長俊とは異なり、皆から信頼されていた人物。
富田長繁は信頼を失ってしまいました。

織田信長に寝返った桂田長俊を討ち取った富田長繁。
ところが、「富田長繁は織田信長に従うのでは…」という噂話が広がります。

富田長繁をますます信じられなくなった一揆勢は、七里頼周と杉浦玄任についていくことにしました。

七里頼周と杉浦玄任はどのような人物なのでしょうか。

七里頼周と杉浦玄任は越前国の隣で起きた加賀一向一揆の指導者。
一揆勢を率いて七里頼周は織田信長と戦い、杉浦玄任は上杉謙信と戦いました。

二人は本願寺の僧侶であり、戦慣れした武将でもありました。
富田長繁は敗北し、一揆勢は越前国を制圧しました。

ところが、七里頼周や本願寺からやって来た下間頼照は重税を課し、越前国を厳しく統治します。
七里頼周と一緒に戦ってきた一揆勢は二人に不満を抱き、内部に不穏な空気がただよい始めました。

天正3年（1575年）5月の長篠の戦いを経て、武田氏を滅ぼした織田信長。

武田氏を滅ぼすまで、織田信長は越前国に兵力を割くことができませんでした。
ただ、道路や橋をあらかじめ整備し、戦に備えていました。

兵力に余裕ができた織田信長は8月12日に美濃を出発し、14日には敦賀城に入りました。
そして、翌日15日、水軍を含む3万人もの軍を率いて、越前国に向かいました。

☑ 両家老・柴田勝家、佐久間信盛
☑ 主力武将・羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀
☑ 次男・織田信雄、三男・織田信孝
などが動員され、軍の最前列には織田家に寝返った国人や宗徒が配置されました。

一揆勢の内部は既に崩壊していましたが、織田軍の最前列に配置されたかつての仲間を見て、士気が下がります。

8月18日、織田信長は一揆をあっという間に平定しました。

織田信長は一揆勢を討ち取ったり、美濃や尾張に奴隷として送ったりしました。
七里頼周が指導していた加賀国に逃げる一揆勢を追撃しました。

織田信長

一揆を平定した織田信長は領地を家臣に配分します。

越前国から8郡（75万石）を柴田勝家に与え、北ノ庄城主に任命しました。
越前府中10万石は前田利家、佐々成政、不破光治の府中三人衆に均等に与えました。

また、府中三人衆を柴田勝家の与力とし、柴田勝家の補佐役兼監視役にしました。

織田信長が平定した越前一向一揆の経緯と経過をわかりやすく紹介しました。

① 武田氏を滅ぼした
② 越前国の一揆勢内部が崩壊した
タイミングがちょうど重なり、織田信長は一揆を4日で平定しました。

織田信長は柴田勝家を中心に越前国の支配を開始。
天下統一の夢に大きな一歩を踏み出しました。

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