織田家臣・平手汎秀の死後、30年間も織田家筆頭家老として活躍した佐久間信盛。
その最期は筆頭家老とは思えないようなものでした。
織田信長三十六功臣・佐久間信盛が受け取った手紙と追放されて迎えた最期を紹介します。
織田家の筆頭家老・佐久間信盛の生涯
佐久間信盛は享禄元年(1528年)に生まれました。
織田信長の父・織田信秀に仕えた後、幼い織田信長に仕えるよう命じられ、織田信長の重臣となりました。

天文21年(1552年)、織田信秀が亡くなります。
織田信秀の死後、織田信長は嫡男として跡を継ぎましたが、弟・織田信勝との間で家督争いが起こりました。
佐久間信盛は織田信長の立場が揺るがないよう策をめぐらせ、織田信長の家督継承に大きく貢献しました。
その後、永禄3年(1560年)に勃発した桶狭間の戦い、永禄11年(1568年)に勃発した観音寺城の戦いなどで戦功をあげます。
また、永禄10年(1567年)に徳川家康の長男・信康と織田信長の長女・徳姫が結婚した際には、徳姫を岡崎城に送り届ける供奉を務めました。
元亀2年(1571年)11月には、織田信長と対立していた大和筒井城主・筒井順慶を帰順させるなど、佐久間信盛は幅広く活躍しました。
三方ヶ原の戦いで勝手に退却する
ところが、元亀3年(1572年)12月に勃発した三方ヶ原の戦いで、佐久間信盛は織田信長の信用を失う失態を冒します。
戦国最強と呼ばれる武田軍を率いていた武田信玄と戦うこととなった徳川家康は、清洲同盟を結んでいた織田信長に援軍を要請しました。
敵対勢力によって信長包囲網を形成されていた織田信長は自ら出陣せず、佐久間信盛、徳川家康の伯父・水野信元、平手汎秀に3000人の兵を任せ、徳川家康を援護するよう命令しました。
織田信長が援軍を送ったことで、徳川・織田連合軍の兵の数は1万1000人となりましたが、武田軍の兵の数は2万7000人にも及び、徳川・織田連合軍には勝ち目がありませんでした。
それでも、平手汎秀と水野信元は武田軍に立ち向かいました。
結果、平手汎秀は討死し、水野信元は徳川家康の浜松城退却を成功させます。



この間、佐久間信盛が何をしていたのかというと、武田軍と戦うことなく自らの判断で退却。
討死した平手汎秀、徳川家康の護衛に成功した水野信元と比較して、佐久間信盛は卑怯者のレッテルを貼られることとなりました。
織田信長に口答えをする
天正元年(1573年)4月、越前国の朝倉義景と対立していた織田信長は朝倉軍を攻撃するよう家臣に命令。
ところが、織田家臣誰一人として、朝倉軍を攻撃することができませんでした。
織田信長から呼び出された家臣が叱責を受ける中、佐久間信盛は一人「そう怒っても、私達ほど優秀な家臣はいないでしょう」と口答えをしてしまいます。
若江城の戦いや長島一向一揆、長篠の戦いなどで武功をあげましたが、織田信長の佐久間信盛に対する信頼が回復することはありませんでした。
水野信元を陥れる
12月、佐久間信盛は「水野信元が武田家臣と内通している」と密告しました。
岩村城に籠城していた武田家臣・秋山虎繁に、水野信元が兵糧を高値で売り付けていたというんです。
徳川家康と共に力を強めていた水野信元を疎ましく思っていた織田信長は、佐久間信盛の密告を利用して水野信元を切腹に追い込みました。
そして、水野信元を処刑したことを後悔し、水野家を再興させました。
佐久間信盛が受け取った手紙と追放されて迎えた最期
信用を失った佐久間信盛は織田信長から手紙を受け取り、自ら進退を決しました。
佐久間信盛が受け取った手紙
天正8年(1580年)8月25日、織田信長から19ヶ条の折檻状を突き付けられました。
・戦で時間稼ぎをしたり、許可なく退却したりしていて、佐久間信盛には武士の心得がない
・高野山に隠居し、反省するのが当然だ
といった内容が19ヶ条にわたって書き連ねられていました。
追放されて迎えた最期
間接的とはいえ、織田信長から高野山に隠居するよう命じられた佐久間信盛は長男・佐久間信栄と共に、少数の家臣を率いて高野山に向かいました。
ところが、高野山にたどり着いたものの、佐久間信盛は高野山で余生を送ることが許されず、高野山をすぐに出発して南下。
佐久間信盛・信栄親子に愛想を尽かした家臣は次々と離れ、付き添う家臣はたった一人となりました。
天正10年(1582年)、佐久間信盛は十津川山中にある武蔵の里で55年の生涯を終えました。
この時、佐久間信盛に最後まで付き添った一人の家臣は士分に引き上げられ、大出世を遂げました。
まとめ
織田信長三十六功臣・佐久間信盛が受け取った手紙と追放されて迎えた最期を紹介しました。
長年にわたって織田信長に仕え、30年間も織田家筆頭家老を務めた佐久間信盛。
佐久間信盛は徳川家康に負けない狸親父だったと思いますが、徳川家康に比べて、我慢強くなかったのかもしれませんね。
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