年齢を重ねれば重ねるほど、気を付けたいのがマナー。
周囲から好かれる振る舞い方、礼儀作法や心得を学ぶ方も多くいらっしゃりますよね。
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実は、江戸時代には既に、女性向けのマナー本が出版されていました。
江戸時代に書かれた女重宝記の内容を現代語で簡単に紹介します。
女重宝記とは?
女重宝記は元禄5年(1692年)から幕末にかけて刊行された女性用の教訓書です。
当時の女性が日常生活を送るにあたって身につけておくべき教養、知識を書いています。
時代の変化に合わせて、改訂、補訂が繰り返されました。
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・1ページあたり10行、1行あたり25文字
・行書体の漢字と平仮名を使った仮名交じり文
・振り仮名を振った漢字
で構成されている女重宝記。
文章が簡単であり、挿絵が多いことから、当時の女子教育の場において幅広く用いられました。
女重宝記の内容
女重宝記は次のような構成で、全5巻にわたります。
① 一之巻 女中万たしなみの巻
② 二之巻 祝言の巻
③ 三之巻 懐妊の巻
④ 四之巻 諸芸の巻
⑤ 五之巻 女節用集字尽
女重宝記の全5巻の内容を詳しくみていきましょう。
一之巻 女中万たしなみの巻
一之巻の「女中万たしなみの巻」では、言葉遣いや化粧、ファッションについて書かれています。
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女性に生まれたからには、一日もおしろいを塗らない日があってはならない!
と、化粧の必要性について説いています。
町人に比べて、大奥で暮らす女性の装いや化粧は当然派手。
町人が真似をしようと思っても、とても真似できるものではありません。
ただ、江戸時代中期の社会は安定し、町人の暮らしも豊かになっていました。
また、吉原の遊女や町の女性を題材にした美人画が流行し、町人もファッションを楽しむようになりました。
大奥の女性に比べると経済的な制約はありました。
でも、その他の制約に縛られない町人は化粧を自由に楽しみました。
二之巻 祝言の巻
二之巻の「祝言の巻」では、結婚の日取りの決め方や花嫁道具、食べ方や飲み方について書かれています。
飲み方と聞くと、茶の湯をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。
でも、女重宝記で書かれている飲み方は飲食時の最低限守るべきマナー。
この時代から、教養としてのテーブルマナーが意識されていたんですね。
三之巻 懐妊の巻
三之巻の「懐妊の巻」では、妊娠、出産、産後の知識について書かれています。
・出産に臨む時の心得
・産後の注意するべき事柄
・生まれた子供の育て方
など、妊娠、子育てに悩む現代の女性に通じるものがあります。
四之巻 諸芸の巻
四之巻の「諸芸の巻」では、女性が学ぶべき芸事について書かれています。
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女性が学ぶべき芸事とは、手習い(習字)、和歌、箏(琴)、かるた、聞香。
習字と聞くと、文字を正しく、美しく書くことに重きを置いていると感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、女重宝記では「字の美しさや文章の面白さから、女性の心がにじみ出る」と書かれています。
字をただ上手に書ければいいのではなく、面白い文を書く。
町人も学問を学んでいたこと、町人を中心に文化が発達していたことがよく分かりますね。
五之巻 女節用集字尽
五之巻の「女節用集字尽」では、女用器財、衣服、絹布、染色の名前(種類)について書かれています。
簡単にいうと、注釈を記したページです。
まとめ:いつの時代もマナーは大事!
江戸時代に書かれた女重宝記の内容を現代語で簡単に紹介しました。
女性の身につけておくべき教養、知識が書かれている女重宝記。
女重宝記は元禄5年(1692年)から幕末にかけて、改訂、補訂を繰り返して刊行されました。
昔から多くの人がマナーを意識して暮らしていたことがよく分かりますね。
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