元亀4年(1573年)1月から2月にかけて、徳川家康と武田信玄の間で勃発した野田城の戦い。
この戦いの後、武田信玄は病が悪化して亡くなりました。
武田信玄の亡き後、徳川家康の前に立ちはだかった武田勝頼。
徳川家康と武田勝頼の間で行われた第一次高天神城の戦いとは、どのような戦いだったのでしょうか。
第一次高天神城の戦いで徳川家康が武田勝頼に敗北した理由と影響を紹介します。
第一次高天神城の戦いとは?
第一次高天神城の戦いとは、天正2年(1574年)5月に徳川家康と武田信玄の息子・武田勝頼の間で行われた戦いを指します。
① 一言坂の戦い
② 二俣城の戦い
③ 三方ヶ原の戦い
④ 野田城の戦い
で勝利した武田信玄は、徳川領を次々と切り取ります。
遠江国と駿河国のまさに境界に位置する高天神城は、徳川氏の支配下にあるものの孤立していました。
武田勝頼は遠江をスムーズに侵攻するべく、高天神城を手に入れようと進軍。
こうして、第一次高天神城の戦いが勃発しました。
第一次高天神城の戦いで徳川家康が武田勝頼に敗北した理由
第一次高天神城の戦いで徳川家康が武田勝頼に敗北した理由は、
① 武田勝頼が用意周到だったから
② 徳川家康の兵力が不足していたから
の2つです。
武田勝頼が用意周到だったから
遠江をスムーズに侵攻するためには、高天神城を攻略することが必要だと考えた武田勝頼。
でも、武田勝頼は高天神城にすぐ攻め入りませんでした。
高天神城を攻略するためには、高天神城の近くに食糧や武器を備蓄する、また、兵の休める場所が必要です。
武田勝頼は馬場信春に築城を命じ、足がかりとなる諏訪原城を完成させました。
徳川家康の兵力が不足していたから
武田勝頼を警戒していた徳川家康は、武田勝頼が諏訪原城を築城していることを知っていました。
天正2年(1574年)5月、諏訪原城を完成させた武田勝頼は兵2万5000人を率いて出陣。
高天神城にいた兵は城将・小笠原長忠率いる1000人だけでした。
小笠原長忠は、25倍もの兵力に勝てるわけがないと思い、徳川家康に救援を要請します。
高天神城に籠城するから、高天神城を攻撃する武田軍を背後から攻撃してほしいと申し出たんです。
どんなに要請されても、高天神城の救援に駆け付けられるわけがありません。
徳川家康が援軍を送ってくれると信じて、小笠原長忠は60日間も籠城します。
でも、武田軍の攻撃を受けた高天神城は二の丸を破壊され、また、兵糧が尽きてしまいました。
やがて、高天神城は主郭を残すだけとなり、兵の命を助けることを条件に開城して降伏。
日数はかかったものの、武田勝頼は大きな損害を被ることなく、高天神城を手に入れました。
第一次高天神城の戦いの影響
第一次高天神城の戦いは、徳川家康と武田勝頼にどのような影響を与えたのでしょうか。
武田勝頼の兵力が高まった
高天神城開城の条件は、兵の命を助けること。
約束どおり武田勝頼は兵全員を助命し、また、今後の身の振り方を自由に選択させました。
でも、命を助けられた兵は勝利した武将の軍隊に入るのが一般的です。
・武田軍に加勢するも良し
・徳川家康の元に戻るも良し
として、武田勝頼は身柄を拘束することもありませんでした。
大須賀康高をはじめ、渥美勝吉や坂部広勝、久世広宣や門奈俊武は徳川家康の元に戻りましたが、武田勝頼に仕えることを選んだ兵も少なくありませんでした。
武田勝頼の名声が高まった
実は、武田氏が高天神城を攻めるのは、第一次高天神城で2回目。
元亀2年(1571年)、武田信玄は2万人の兵を率いて、高天神城を攻めました。
標高132メートルの鶴翁山に築かれた高天神城の周りは断崖絶壁。
堀には中小の河川を活用した、まさに天然の要塞でした。
地の利を生かして、徳川軍はわずか2000人の兵で武田軍を撃退。
武田勝頼が高天神城を攻めたのは、それから2年後のことでした。
徳川家康の名声が下がった
援軍を送らず、救援に駆け付けることもしなかった徳川家康は、兵を見殺しにしたとして名声を失いました。
名声を失ったのは徳川家康だけではありません。
徳川家康と清洲同盟を結んでいた織田信長です。
織田信長は徳川家康から救援を要請されていたにも関わらず、京都で行われていた賀茂祭に参加していました。
織田信長はお詫びとして兵糧代に相当する黄金を贈り、徳川家康は大金を手に入れました。
でも、徳川家康と織田信長が名声を失ったことに変わりはありませんでした。
まとめ:第一次高天神城の戦いで武田勝頼は信玄を超えた!?
第一次高天神城の戦いで徳川家康が武田勝頼に敗北した理由と影響を紹介しました。
武田信玄だけでなく、武田勝頼にも敗北した徳川家康。
一方、武田信玄が諦めた高天神城を攻略した武田勝頼。
第一次高天神城の戦いは、二人の命運を分けた戦いとなったのではないでしょうか。
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