徳川家康の従兄妹・お万は次男・結城秀康を出産しましたが、
☑ 築山殿の暮らす岡崎城を追い出される
☑ 徳川家康の暮らす浜松城に入れてもらえない
という仕打ちを受けました。
徳川家康の側室であり、次男・結城秀康の母であるお万(長勝院)が城を追い出された理由を紹介します。
徳川家康の次男・結城秀康の母・お万(長勝院)の生涯
お万は天文17年(1548年)生まれで、三河国の知鯉鮒明神(知立神社)で神官を務めていた永見吉英と水野忠政の娘の間に誕生しました。
つまり、お万の母と於大の方は姉妹で、お万と徳川家康は従兄妹となります。
今川家で人質生活を送っていた徳川家康は、今川義元に命じられて、寺部城主・鈴木重辰を討つことになりました。
徳川家康は寺部城に向かう前に、永見吉英のもとを訪ねました。
この時、当時2歳だったお万と将来結婚する約束をしたといわれています。
徳川家康の寵愛を受ける
今川家から独立した徳川家康とお万が再会したのは、正室・築山殿と結婚した後。
お万は築山殿の侍女を務めることとなり、二人は昔のように従兄妹として接することができなくなりました。
築山殿は今川家出身で、今川家と敵対していた水野家出身の於大の方は築山殿を嫌っていました。
於大の方はお万が徳川家康の側室となることを望み、徳川家康にお万を寵愛するよう言いました。
徳川家康と築山殿は結婚当初から不仲。
一方、徳川家康にとって、昔から知っているお万は懐かしく、また、心を許せる存在。
於大の方に勧められたことも手伝って、徳川家康はお万を寵愛しました。
岡崎城を追い出される
天正2年(1574年)、徳川家康がお万を寵愛した結果、お万は懐妊します。
徳川家康とお万の仲を取り持った於大の方は、お万が子どもを授かったことを喜びました。
☑ お万の服を脱がせる
☑ 身体を幹にくくりつける
☑ 鞭で打つ
などしました。
そして、お万が懐妊したにも関わらず、お万を徳川家康の側室として認めず、岡崎城から追い出してしまいました。
双子を出産する
お万の身の危険を感じた徳川家康は、家臣・本多重次にお万を託します。
そして、天正2年(1574年)2月、お万は代官の中村家住宅で無事出産しました。
徳川家康はお万のもとに駆け付けましたが、お万が産んだ赤ちゃんを見て絶句します。
双子(結城秀康と永見貞愛)だったからです。
というのも、一般的に、跡継ぎ争いの原因となるからです。
徳川家康は双子のうちどちらか一人を殺すよう命じました。
どうしても子どもの命を救いたかったお万は、
「結城秀康の後に生まれた永見貞愛を死産したことにして、実家で育てたい」
と申し出ました。
お万の希望どおり、永見貞愛は永見家で暮らすこととなりました。
永見貞愛は生まれつき身体が弱く、永見家に永見貞愛を引き渡した後も、お万は手紙を送って体調を気遣い続けました。
一方、結城秀康は中村家住宅を手配した本多重次のもとで育ちました。
出家し、72歳で亡くなる
慶長5年(1600年)に勃発した関ヶ原の戦いで、結城秀康が功績を認められると、結城秀康は北ノ庄城(福井城)の城主となり、お万も一緒に移り住みました。
ところが、慶長12年(1607年)、結城秀康が急死。
結城秀康、永見貞愛を失ったお万は行き場を失い、徳川家康に黙って出家。
元和5年(1619年)、お万は72歳で亡くなりました。
お万が城を追い出された理由
お万が懐妊した時、築山殿と夫婦仲の悪かった徳川家康は拠点を岡崎城から浜松城に移していました。
岡崎城には、築山殿と長男・信康を住まわせ、築山殿と別居していたんです。
つまり、徳川家康は岡崎城から追い出されたお万を浜松城に住まわせられたことになります。
でも、徳川家康はお万を浜松城ではなく、中村家住宅に住まわせました。
それは、お万が徳川家康の側室ではなかったからです。
当時、側室となるためには正室の許可が必要でした。
築山殿がお万を側室として認めなかったため、お万は浜松城に入ることができなかったんです。
徳川家康と夫婦仲が悪かったとはいえ、築山殿は大きな権限をもっていたんですね。
まとめ:お万が城を追い出されたのは、侍女で双子を出産したから
徳川家康の側室であり、次男・結城秀康の母であるお万(長勝院)が城を追い出された理由を紹介しました。
徳川家康の次男を授かったにも関わらず、
☑ 侍女だったという理由で築山殿から側室として認められなかった
☑ 双子を出産したという理由で徳川家康から受け入れられなかった
お万。
子どもと離れ離れになったうえに、子どもに先立たれ、お万は悲しい人生を送ったかもしれませんね。
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