【唐】武三思とはどんな人?則天武后(武則天)の甥が権力を握った理由と最期

中国史上唯一の女帝・則天武后武則天)。
その治世を支え、また陰で権力を振るった人物の一人が、甥である武三思です。

武三思は一族の血縁を背景に出世し、宮廷内で大きな権力をもつようになりました。
でも、その権力は多くの反感を買い、最終的には悲劇的な最期を迎えます。

武三思とはどのような人物だったのか
② 武三思がなぜ権力を握ったのかという理由
③ 武三思の最期
について、わかりやすく解説します。

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武三思とはどんな人?

武三思は并州(現在の山東省中部)出身。
残念ながら、生まれた年は判っていません。

則天武后のもと重要な役職を歴任

武三思の名前が歴史上に登場するのは、則天武后が高宗の正室になった後。
則天武后は一族の抜擢を望み、武三思は右衛将軍になりました。

右衛将軍は宮廷内の宿直警備を担当する役職で、実質的な軍指揮官です。

戴初元年(690年)に則天武后が国のトップに立つと、夏官尚書(兵部尚書)になりました。

夏官尚書は武官の人事、武器、軍政を担当する役職です。

郡を指揮した経歴をもち、武器や軍政を任された武三思の権力は強大化しました。

その後、春官尚書(礼部尚書)として国史を監修します。
則天武后が建てた武周王朝の首都・洛陽の長官になり、権力をさらに振るいました。

安楽公主の義父として権力を拡大

武三思の次男・武崇訓は安楽公主と結婚。

則天武后
則天武后

安楽公主は唐の第4代皇帝・中宗(李顕)の第8王女。
中宗には8人の皇女がいましたが、安楽公主を一番溺愛しました。

中宗は大切な安楽公主の義父を無下にできません。
則天武后と中宗の後ろ盾を得て、武三思は権力をさらに拡大しました。

史書では、武三思は野心家で権力志向の強い人物として描かれています。
自らの地位を守るために、政敵を排除したり、讒言を用いたりしたのだとか。

皇族や高官との関係構築も得意で、宮廷内の力をうまく利用しました。

則天武后の甥・武三思が権力を握った理由

武三思は則天武后の兄・武元慶の息子。
つまり、武三思は則天武后の甥にあたります。

則天武后
則天武后

ただ、武元慶と則天武后は血がつながっていません。
父・武士彟の前妻の子どもだからです。

血縁関係としては結びつきが強くないような気もしますが…
武三思はなぜ権力を握ることができたのでしょうか。

則天武后が武氏一族を重用した

高官から反対されながらも、高宗の正室になった則天武后。
味方の少ない則天武后は、自らの一族である武氏の重用を望みました。

国のトップに立つと、則天武后は武氏をますます重用します。

① 李氏(唐王朝の本来の皇族)に対抗する
② 自分の身を守る
ために、信頼できる身内で政権を固めました。

中でも、武三思は有力な後継者候補の一人として注目される存在でした。

則天武后が頼れるのは武三思だけだった

実は、則天武后と異母兄は不仲。
血のつながった姉・韓国夫人とも不仲で、頼れる兄弟はいませんでした。

血縁関係は結びつきが弱いものの、則天武后は武三思を信じるしかありませんでした。
則天武后の信頼を得た武三思は要職に就き、朝廷内で発言力を強めていきました。

武三思は立ち回りが上手だった

則天武后の一族として重用された武三思。
実は、武三思は政治的な駆け引きにも長けていました。

権力闘争の中で有力者に取り入って、敵対勢力を排除し、自身の地位を強固なものにします。
特に、皇位継承争いにおいて影響力をもったことが、権勢拡大につながりました。

武三思の最期

武三思が権力を握るにつれ、宮廷内では武三思に対する不満が高まっていきました。
武氏一族の専横に対する反発や李氏復権を望む勢力が次第に力をもつようになります。

女官
女官

① 科挙に合格して登用された者
② 太宗や高宗に重用された者
には、高いプライドがあります。

武三思が妬まれるのも無理はありません。
うまく立ち回ってきた武三思も、多くの敵を抱えることになりました。

神龍3年(707年)、中宗の三男で皇太子の李重俊がクーデターを起こします。

安楽公主が武三思と手を組んで、皇太女になろうとしたからです。
武三思・崇訓親子はこのクーデターで命を落としました。

武氏一族の影響力は低下し、唐朝は再び李氏中心への政治に戻っていきます。

まとめ:武三思の立場と立ち回りがポイント!

則天武后の甥という立場、政治的な立ち回りのうまさを背景に出世した武三思。

でも、強大な権力は同時に多くの敵を生み、最終的にはクーデターで命を落としました。

権力闘争と血縁政治に振り回された武三思。
武三思の人生を理解することで、則天武后の政治の欠点がみえてくるのではないでしょうか。

私が則天武后に興味をもったきっかけは、中国時代劇を配信サービスで見たことでした。
映像で見ると人物や時代の雰囲気がつかみやすく、その後に本を読むと理解がぐっと深まります。

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