本能寺の変で織田信長が亡くなってから2年後。
① 同盟を結んだ徳川家康・織田信雄
② 豊臣秀吉
は、小牧山、長久手で剣を交えます。
小牧・長久手の戦いのきっかけと勝者、和睦した結果をわかりやすく簡単に紹介します。
小牧・長久手の戦いのきっかけ
紹介したように、小牧・長久手の戦いでは、徳川家康と織田信雄が手を組んで豊臣秀吉と戦いました。
その理由は、小牧・長久手の戦いが勃発する2年前、天正10年(1582年)に遡ります。
本能寺の変で、織田信長とその長男・織田信忠を討った明智光秀。
徳川家康は伊賀越えを経て岡崎城に戻り、明智光秀を討とうと出陣します。
ところが、徳川家康より一足先に豊臣秀吉が明智光秀を討ちました。
その後、織田家の重臣が集まる清洲会議で、織田信忠の長男・織田信秀が跡を継ぐことが決まりました。
この時、織田信秀はわずか3歳。
織田信秀を推薦した豊臣秀吉は、織田信秀を利用して実権を握ろうとしていました。
更に、織田信雄の三家老(津川義冬、岡田重孝、浅井長時)を懐柔します。
当然、豊臣秀吉のこの行動は織田信雄の怒りに触れ、
豊臣秀吉は織田家を乗っ取ろうとしている!
豊臣秀吉を討つ!
と決意させます。
でも、織田信雄は豊臣秀吉を討つ自信がありません。
そこで、織田信長と清洲同盟を結んでいた徳川家康を頼ることにしました。
徳川家康は織田信長の跡継ぎについて口を挟まず静観していました。
でも、豊臣秀吉が実権を握ろうとしていることに危機感を抱いていました。
なんとかしなければ…
でも、豊臣秀吉と戦う大義名分がない。
と悩んでいた徳川家康は、織田信雄の協力要請により、大義名分を得ます。
まず、徳川家康は「豊臣秀吉が懐柔した三家老を処刑するように」と織田信雄に言いました。
織田信雄は居城・伊勢長島城に三家老を呼び出して処刑します。
これに豊臣秀吉は激怒し、小牧・長久手の戦いが勃発しました。
小牧・長久手の戦いの勝者
織田信長の次男・織田信雄から協力を要請され、豊臣秀吉と戦うこととなった徳川家康。
織田・徳川連合軍の兵力は、豊臣秀吉の兵力を圧倒的に上回ったのでは?
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は逆。
織田信長に仕えた家臣のほとんどが豊臣秀吉に味方しました。
そのため、織田・徳川連合軍の兵3万人に対して、豊臣秀吉の兵は10万人にまで膨れ上がりました。
でも、徳川家康は、
① 三河一向一揆
② 三方ヶ原の戦い
③ 伊賀越え
といった人生三大危機を既に乗り越えていました。
豊臣軍が三河を侵攻すること(三河の中入り作戦)まで先読みし、豊臣軍を長久手で待ち伏せして奇襲。
劣勢に陥っていると知った豊臣秀吉は慌てて長久手に駆けつけましたが、
・池田恒興
・森長可
は既に討ち取られた後でした。
豊臣軍を相手に大勝利をおさめた徳川家康。
あと一歩で豊臣秀吉を破るという戦況下で、まさかの展開が訪れます。
徳川家康の知らないところで、織田信雄は豊臣秀吉に言いくるめられて、勝手に和睦してしまったんです。
徳川家康が優勢でしたが、戦う理由のなくなった徳川家康は岡崎城に戻ります。
小牧・長久手の戦いは勝敗がつかないまま終わりを迎えました。
和睦した結果
織田信雄をうまく言いくるめ、戦いを終わらせた豊臣秀吉。
徳川家康は関東の北条家と手を結び、豊臣秀吉とは距離を置いていました。
ところが、豊臣秀吉は徳川家康に「家臣になってほしい」と何度も要求します。
織田信雄と和睦できなかったら、徳川家康に負けていたかもしれない。
そう考えた豊臣秀吉は、なんとしても徳川家康を味方につけたかったんです。
小牧・長久手の戦いで優勢だったのは徳川家康。
にも関わらず、豊臣秀吉に従うなんて納得できない徳川家康は何度も拒みます。
すると、頼んでもいないのに、豊臣秀吉は妹・朝日姫を徳川家康の正室として送り込みました。
夫がいたにも関わらず、豊臣秀吉によって強制的に離縁させられました。
朝日姫を不憫に思った徳川家康は正室として迎えましたが、豊臣家臣にはなりませんでした。
すると、豊臣秀吉は母・大政所を人質として差し出してきました。
豊臣秀吉に根負けした徳川家康は仕方なく大坂城に出向き、豊臣家臣となることを皆の前で発表。
全ては豊臣秀吉の思惑通りとなりました。
まとめ:最後は豊臣秀吉のねばり勝ち!
小牧・長久手の戦いのきっかけと勝者、和睦した結果をわかりやすく簡単に紹介しました。
これまで今川義元にしか仕えたことのなかった徳川家康。
小牧・長久手の戦いを経て、豊臣秀吉に仕えることとなりました。
戦いでは優勢だった徳川家康。
織田信雄が豊臣秀吉に言いくるめられていなかったら、徳川家康と豊臣秀吉の人生はどのように変わっていたのでしょうか。
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