徳川家康はどんな入れ歯を、なぜ使っていた?

45歳を過ぎた頃から、部分的に使い始める方が多い入れ歯。
実は、江戸幕府初代将軍・徳川家康も入れ歯を使っていました。

徳川家康が使っていた入れ歯の種類、入れ歯を使っていた理由を紹介します。

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徳川家康はどんな入れ歯を使っていた?

現代の入れ歯はプラスチック製が主流ですが、昔はどのような素材で作られた入れ歯が主流だったのでしょうか。

おゆう
おゆう

入れ歯の歴史は私達が思っている以上に古く、室町時代にまで遡ります。

現存する日本最古の入れ歯は、願成寺(和歌山市)を開山した中岡テイ(仏姫)が使用していたもの。
中岡テイは天文7年(1538年)に76歳で亡くなっていることから、室町時代末期には既に入れ歯が使用されていたことが判ります。

中岡テイの使用していた入れ歯は木床義歯といって、木から作られていました。

プラスチック製の入れ歯を見慣れている私達にとって、木製の入れ歯がどのように作られるのか想像がつきませんよね。
でも、素材が違うだけで、入れ歯の作り方は現代とほぼ同じなんです。

木床義歯の材料はツゲの木や梅の木、黒柿の木などがありましたが、中でも一番適した材料がツゲの木でした。
というのも、ツゲの木はキメが細やかなうえに、弾力性と抗菌作用があるからです。

すけさん
すけさん

ツゲの木は食べ物を噛む、また、雑菌が繁殖しやすい入れ歯に最適だったんですね。

入れ歯に欠かせない型取りには、密ろうや松ヤニを使っていました。
現在では、アルジネートやシリコンゴムを使って型取りするため、入れ歯に同じく素材は違いますが、型の取り方は現代とほぼ同じです。

また、入れ歯を製作した後には、食紅を使用して入れ歯の当たり具合を確認したり、少しずつ削って微調整したりして、個人に合うように仕上げました。

おゆう
おゆう

室町時代末期と現代の入れ歯の作り方、型の取り方に大きな差がなかったことから、当時から日本の入れ歯の製作技術が高かったことが分かりますね。

徳川家康の他、「南総里見八犬伝」を書いた滝沢馬琴、エレキテルや万歩計を開発した平賀源内なども木床義歯を使用していたといわれています。
性別、職業を問わず、木床義歯は手に入れやすく、人々の生活必需品だったんですね。

坊っちゃん
坊っちゃん

ところで、日本では奈良時代から歯科医療が行われていましたが、入れ歯を製作していたのは医師ではありません。

入れ歯を使用する必要があるかどうかといった判断や型取りは医師が行っていましたが、木を彫る技術はもち合わせていませんでした。
そのため、仏師や根付師といった木を彫る技術に長けている職人が入れ歯を作っていました。

日本で木床義歯が使用されていたのは明治時代初期まで。
以降、ヨーロッパから伝わったゴム製の入れ歯が使用されるようになり、更に、昭和初期にはアクリル系の樹脂製の入れ歯が使用されるようになりました。

日本では食事目的で入れ歯を使用していましたが、ヨーロッパでは抜けた歯を補って見た目を良くするといった美容目的で入れ歯を使用していました。
そのため、歯に馴染む動物の牙を使って入れ歯を製作していました。手入れが難しいうえに、動物独特のニオイが加わり、悪臭がしたそうです。

徳川家康はなぜ入れ歯を使っていた?

紹介したように、45歳を過ぎた頃から入れ歯を使い始める方が多い日本。
75歳まで生きた徳川家康も晩年は総入れ歯でした。

おゆう
おゆう

ここで気になるのが、徳川家康が入れ歯を使っていた理由。

というのも、徳川家康は戦国武将きっての健康オタク。
鷹狩や水泳をして身体づくりに励み、薬を自ら調合していた徳川家康が虫歯になったとは考えにくいんです。

では、何故、徳川家康は入れ歯を使っていたのでしょうか。

私達の使っている歯ブラシは戦国時代には当然なく、当時は木を割いて歯を磨いていました。
そのため、健康オタクの徳川家康が虫歯になっていてもおかしくありませんが、歯周病を患っていたのではないかと考えられています。


歯周病の原因の一つに、ストレスが挙げられます。
ストレスをためると、自律神経が乱れ、免疫力が低下して歯周病になりやすいんです。

おゆう
おゆう

江戸幕府を開き、太平の世を築いた徳川家康は心配性。
一言坂の戦いで脱糞したという逸話が伝わっています。

織田信長や豊臣秀吉に気を遣ったり、嫁姑問題に悩んだりしているうちに、徳川家康はストレスをどんどんためていたのかもしれませんね。

まとめ

徳川家康が使っていた入れ歯の種類、入れ歯を使っていた理由を紹介しました。

徳川家康は木床義歯という木製の入れ歯を使っていました。
健康オタクの徳川家康もストレスには勝てず、歯周病を患った結果、入れ歯を使うようになったと考えられます。

徳川家康は身体に優しい食事を摂っていました。
入れ歯を使って食事を楽しむ徳川家康の姿が思い浮かびますね。

大河ドラマ「どうする家康」をもっと楽しむなら、こちらのガイドブックがオススメです。


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