11人もの男の子を授かった徳川家康。
長男が跡を継ぐのが一般的ですが、徳川家康の跡継ぎとなったのは、三男・徳川秀忠でした。
徳川家康の三男・秀忠が跡継ぎの江戸幕府二代目将軍になった理由を紹介します。
長男・信康は既に亡くなっていたから
永禄5年(1562年)に清洲同盟を結んだ徳川家康と織田信長。
その後、同盟関係を強化するために、徳川家康の長男・信康と織田信長の長女・徳姫を結婚させました。
プライドが高かった徳姫。
信康が側室を抱えることを許さず、義母・築山殿とは仲が良くありませんでした。
結婚から8年が経った天正3年(1575年)。
信康と築山殿を巻き込む大岡弥四郎事件が起こります。
そして、徳姫は大岡弥四郎事件を利用して、
・信康と築山殿は武田勝頼と通じている
・信康と築山殿は正室である私(徳姫)を蔑ろにしている
と織田信長に訴状を送りました。
訴状を読んだ織田信長は、徳川信康と築山殿を切るよう、徳川家康に要求。
徳川信康は二俣城に幽閉された後、徳川家康から切腹を命じられて亡くなりました。
信康が生きていても、徳川家康が信康を跡継ぎにしたかったかどうかは分かりません。
でも、既に亡くなっていた信康を跡継ぎにすることはできませんでした。
次男・於義丸(後の結城秀康)は養子に出していたから
天正10年(1582年)6月に起きた本能寺の変で、
① 織田信長
② 織田信長の長男・織田信忠
が明智光秀に討たれました。
織田信長の跡継ぎを決めるべく、織田家臣・柴田勝家、丹羽長秀、豊臣秀吉、池田恒興の4人で、清洲会議を開きます。
そして、豊臣秀吉の推薦により、織田信忠の長男・三法師(後の織田秀信)が跡を継ぐことになりました。
当時、三法師はわずか3歳。
・織田信長の次男であること
から、自分が跡を継ぐものだと思っていた織田信雄は豊臣秀吉と対立するようになりました。
織田信雄は徳川家康に助けを求め、徳川家康は豊臣秀吉に宣戦布告。
こうして、天正12年(1584年)3月、小牧・長久手の戦いが勃発しました。
ところが、8ヶ月が経っても決着はつきません。
豊臣秀吉は織田信雄に和議をもちかけ、徳川家康に断りもなく、二人は和睦します。
戦う理由のなくなった徳川家康は三河国に戻りました。
徳川家康の強さをまざまざと見せつけられた豊臣秀吉。
徳川家康とも和睦しておくべきだと考え、徳川家康の居城・浜松城に使者を送りました。
当時10歳だった次男・於義丸(後の結城秀康)を養子として送り、徳川家康は和睦の申し出に応じました。
於義丸は既に徳川家の人間ではなかったから、跡継ぎにすることはできなかったんですね。
三男・秀忠の生母の出身が高貴だったから
紹介したように、徳川家康は11人もの男の子を授かりました。
11人の生母は当然異なり、家柄もバラバラ。
例えば、次男・於義丸の生母は徳川家康の従兄妹・長勝院(お万)。
長勝院は徳川家康の正室・築山殿の侍女でした。
そのため、長勝院が懐妊すると、嫉妬した築山殿は長勝院を木に縛りつけて叩いたといわれています。
今でこそ、徳川家康は江戸幕府を開いた人物としてとても有名ですが、当時は三河の戦国大名。
あの徳川家康の従兄妹であっても、地位は高くなかったんですね。
対して、三男・徳川秀忠の生母は西郷局(お愛の方)。
西郷局は今川氏に仕えた西郷十八士の一人・戸塚忠春と西郷正勝の娘の間に生まれました。
桶狭間の戦いで、織田信長が今川義元を討ち、徳川家康は今川氏から独立。
西郷氏は今川家を離れて、徳川家康に仕える道を選びました。
・今川家の報復に遭って城を奪われる
・武田軍に一族を殺される
など、度々苦い経験をしていましたが、徳川家康を恨むことはありませんでした。
徳川家康が西郷正勝の次男・西郷清員の自宅を訪れた際、徳川家康は西郷清員の姪・西郷局に出会います。
徳川家康は西郷局に一目惚れ。
箔をつけるために、西郷清員は西郷局を養女に迎えたうえで、徳川家康の側室として送り出しました。
① 長男・信康が既に亡くなっていた
② 次男・於義丸を養子として送り出していた
から、三男・秀忠が跡継ぎとなったことはもちろんですが、生母が西郷氏という名門出身だったからという理由もあるんですね。
まとめ:秀忠は名門の西郷氏の血を引いていた!
徳川家康の三男・秀忠が跡継ぎの江戸幕府二代目将軍になった理由を紹介しました。
徳川家康の跡継ぎが三男・秀忠となった理由は、
① 長男・信康は既に亡くなっていた
② 次男・於義丸(後の結城秀康)は養子に出していた
からです。
順番で、三男・秀忠が跡継ぎに選ばれましたが、徳川秀忠の生母は名門の西郷氏の出身。
誰もが「跡継ぎとしてふさわしい」と認めたという理由もあります。
その証拠として、徳川家康は側近・本多正信を徳川秀忠の家庭教師につけました。
徳川家康は徳川秀忠に期待していたんですね。
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